『パタンナー』とはお洋服の型紙を作ったり、サンプルを作ったりするお仕事です。
型紙を作るだけでなく、サイズの展開や生地用尺の計算なども行います。
実際に私がパタンナーとして携わっていたお仕事やCAD、資格ついてまとめました。
まだまだ歴が浅いのでざっくりとしかとか説明できませんが、参考になればと思います。
<型紙作成>
デザイナーから依頼されたデザインを見ながら型紙を作成します。
昨年の売れ型からの展開や、ベーシックアイテムのディティール変更、購入してきたサンプルを元に型紙を引くことが多いです。
寸法はバランスを見て決定することが多く、着丈やバスト寸法以外はデザイナーからの指示がないので(どちらもない場合もあります)自分で設定しなくてはいけません。
バランスがいいだけでなく、縫製の際に縫いやすいラインや仕様を考えながら作業を進めていきます。
<縫製仕様書作成>
型紙が出来上がったら、工場に縫い方を指示する縫製仕様書を作ります。
会社毎にフォーマットがあるのでその内容を埋めるように進めていきます。
裾などの始末や縫製方法は型紙に直接書き込むことが多いです。
海外工場だと言葉が通じないこともあるのでイラストと文字で作成します。
内容としては、デザイン画、型紙の寸法(上がり寸法)、縫製仕様、付属の個数、使用生地、納期などを記入します。
<サンプル作成>
型紙と仕様書、生地や付属を工場に送ってサンプルを作ってもらいます。
生産工場でサンプルを作成する場合は、生地や付属は工場で現物を手配してもらったり、まだ生地ができていなければ現物と似たものを代用にしてサンプルを作成してもらいます。
<サンプルチェック>
工場から上がってきた代用のサンプルをチェックします。
指示した寸法で上がっているか、縫製は正しいか、生地の不良がないか、シルエットや機能性はいいかなどをチェックし、パターンや仕様の変更や縫製上の注意点を書き出し、大幅な変更があるのもは再度サンプルを作ります。
コストや縫製技術面から工場に仕様変更を申請されることもあります。
サンプルをチェックし、特に変更や不良がない場合は現物生産に進みます。
現物が進行すると縫製途中で一枚出来上がったものを抜いて、現物サンプルもチェックします。
<グレーディング>
型紙をサイズ展開する作業です。会社によっては『グレーダー』としてグレーディング作業だけを行うところもあります。
サイズが変わっても同じバランスのお洋服ができるよう微調整をしながらグレーディングをしていきます。
通常Mサイズをマスター(基本)にして展開していきますが、大きいサイズになるとMサイズのシルエットをそのまま当てはめることができないので、マスターサイズをXLなどにして作り直す場合もあります。
<マーキング>
お洋服を作る際の用尺を出したり、裁断する際の置き方を指示します。
生地の柄や性質によって同じ方向に地の目を揃えなくてはいけないもの、混ざっていてもいいもの、柄通りに置かなくてはいけないものなどがあります。
コストによってこの用尺以内に入れて欲しいという依頼もあるので生地に入らない場合は型紙から見直さなくてはいけない場合もあります。
表地、裏地、芯地などもマーカーします。
<アパレルCADについて>
私が使用していたのは下記の2つです。特徴をまとめました。
・クレアコンポ『パターンマジック』
現在はこちらのCADで作業しています。
基本的な操作方法はどれも同じですが、Super ALPHAと比較すると一番大きな差としては線の書き方が違います。イラストレーターの書き方に近く、線の中間に付いている点から伸びるバーを調節してカーブ線を描きます。
ショートカットキーは基本的にワンボタンです。(MだけやSHIFT+Mなど)
パターンマジックは同社のグレーディングソフト『マーカーマジック』の使い方が難しく、頭を捻ることが多いです。
型紙の各ポイントごとにコード(ルールと言います)を入れてグレーディングをかけていくのですが、ルールの動き方や計算方式を理解していないとデザイン線などが思い通りに動いてくれなかったり、間違ったコードが一箇所あるだけでグレーディングがかからなかったり、線がぐしゃぐしゃになります。
一度入力してしまえば、デザイン変更などでディテールを少し変える場合でもそのままデータが使えるので、型の使い回しが多いブランドに向いています。
・ユカアンドアルファー『Super ALPHA:Plus』
入社して初めて使ったCADです。多少の仕様変更があるかもしれませんが基本的なところは変わっていないかと思います。
線は一線の中にポイントを何箇所かとってポイントを動かす事でカーブを作って描いていきます。
ショートカットキーは1文字のものや3文字くらいあるものもあります。
複雑な機能も少なく比較的使いやすいCADです。
グレーディングは展開線を書き入れそこにピッチをつけていき展開していく方法です。
ポイント毎に数値を入れているわけではないので、展開線の入れ方や角度で仕上がりの線が歪んでくることがあり、グレーディング後の寸法合わせや線の引き直し作業が必要になってきます。