生地の裁断方法

一般的な布帛生地を裁断する際の方法になります。

基本的には裁断→芯貼り→印付けの手順です。

縫い代の付きの型紙とない型紙でそれぞれ手順が違うので分けて説明します。

 

〜型紙に縫い代をつけて裁断する場合(型紙修正のない場合など)〜

1、水通しをし、地の目を直した生地を裁断していきます。

水通しの仕方
天然繊維の歪みを取るために一度水につけてアイロンをかけ、地の目を直すことを水通しといいます。 ポリエステルなどの合成繊維には水通しは不要です。 綿・麻素材の場合 1、生地をたっぷりの水につけて一晩置いておきます。バ...

左右対象に切っていくパーツは、生地を中表に2つ折りにして裁断します。

細かいパーツやアシンメトリーのものは一枚ずつ裁断します。

2つ折りにする場合は、横地の目を合わせるため生地の横糸を一本抜き、抜いたラインを合わせて留めていきます。(チェックなどの場合は縦の柄も合わせてください。)

緯糸・縦糸の通し方
トワルを組んだり、裁断をする時に緯糸、経糸を通します。 トワルを組む際は中心線やバストラインと合わせる際の目印になります。 生地は延反工程で歪んでいるので生地の縦糸と緯糸を通して地直しすることで、正確な直角をとることができます。...

 

2、生地の耳と地の目が平行になるようにパターンを置いていきます。

輪裁ちのものは半分の折り目に地の目を合わせます。

生地の入りを確認(マーキング)してから型紙を置き、待ち針を打っていきます。

マーキングとは
生地の幅に合わせて型紙を置き、裁断方法を決める工程です。 生地の柄に合わせて型紙を配置したり、毛並みの方向によって型紙の向きを揃えたりといろいろな置き方があり、使う生地の特性に合わせてマーキングしていく必要があります。 裁断工程...

 

3、待ち針を打ったら裁断していきます。

接着芯を貼るパーツで熱による縮みのありそうなものは少し大きめに裁断し、接着後に型紙を置き直して縫い代をカットしてください。

4、カットしたものに接着芯を貼ります。接着芯は裏にノリがついているので裁断ハサミで切らないようにしてください。ノリがアイロンにつかないように当て布をして芯を貼ります。

芯貼り位置
芯は生地の伸び止めや形状を安定させたい位置に使われます。 しっかりとしたジャケットや高級なコートになると細かい芯貼り箇所も増え、その分手間もかかりますが綺麗な仕上がりのお洋服を作ることができます。 また、縫い代など一定幅の箇所に...

 

5、型紙を置き直して合い印は切り込みか、しろもで印を付けておきます。

ポケット位置やボタン位置はしろもで切り躾しておきます。

切り躾の仕方
切り躾とはチャコペンの代わりに生地に糸で合印や出来上がり線ラインの印をつける躾方法です。 糸を通して印にし、縫製後は糸を抜いて処理するので跡を残さずに綺麗に仕上げることができます。 1、型紙のアウトライン(出来上がり線)...

 

 

〜型紙に縫い代をつけずに裁断する場合〜(仮縫いをする場合など)

1、2までは上記と同じです。

 

2、パターンに縫い代がないので裁断する際に縫い代を付けて裁断していきます。仮縫いする場合は、修正の可能性の高いところに多めに縫い代を付けて裁断していきます(+0.5~1.0cm)

3、型紙を外して接着芯を裁断して貼ります

接着芯は裏にノリがついているので裁断ハサミで切らないようにしてください。

当て布をしてアイロンをかけてください。(上記4、と同じ工程です)

芯貼り位置
芯は生地の伸び止めや形状を安定させたい位置に使われます。 しっかりとしたジャケットや高級なコートになると細かい芯貼り箇所も増え、その分手間もかかりますが綺麗な仕上がりのお洋服を作ることができます。 また、縫い代など一定幅の箇所に...

 

4、型紙を戻して、縫い線を切り躾していきます。

ポケット位置やボタン位置など細かい部分にも切り躾してください。

切り躾の仕方
切り躾とはチャコペンの代わりに生地に糸で合印や出来上がり線ラインの印をつける躾方法です。 糸を通して印にし、縫製後は糸を抜いて処理するので跡を残さずに綺麗に仕上げることができます。 1、型紙のアウトライン(出来上がり線)...

 

5、しろもで仮縫いをしていきます。仮縫いしない場合はそのまま縫製します。

仮縫いの仕方
仮縫いとは本縫い(実際にミシンお洋服を組み立てて行く行程)に入る前に、シルエットやデザイン、体型にあっているかなどを確認するためしつけ糸で仕上がり線を縫い合わせることです。 縫い代に合わせてアイロンをかけてしまうと修正が入った際に折り...

 

6、着用して型紙を補正(修正)をしてからなおした線を生地に切り躾して縫製用に縫い代を付け直し、裁断していきます。

 

柄合わせをする際はこちらを参照ください↓

柄合わせの仕方
柄合わせをする必要のある生地は型紙が配置しにくく、余り部分が多くなります。柄合わをする場合は生地を多めに買っておくようにしましょう。 柄合わせの箇所を減らしたり、縫製不良を防ぐために、小さいパーツをバイアス取りにして生地の余った部分で...

 

裁ちばさみの扱い方
裁ちばさみは生地を裁断する時に使用するハサミで、生地を正確に切るために状態を維持しなくてはいけません。 裁縫をする際に全ての工程を同じハサミで行う方をよく見かけますが、そうすることによりハサミが痛んで切れ味が悪くなって...
Sewing
スポンサーリンク
シェアする
ノエモバアルカ。

コメント