合成繊維〜ナイロン(Nylon)〜

ナイロンは世界初の合成繊維で、アメリカで発明、工業化されました。

『空気と水と石炭から作られ、鉄よりも強く、蜘蛛の糸よりも細く、絹のようにしなやかである』というのが当時のキャッチフレーズで世界を驚かせたと言われています。

ナイロンは原料によって様々なものがありますが、衣料用では『ナイロン6』と『ナイロン66』が主流になっており、ナイロン66の耐熱性がやや優れています。

スポーツウェア、アウトドアグッズ、水着などに使われています。

 

〜ナイロン繊維の作り方〜

ナイロン66は石油を原料に作られます。石油を科学的に分解し、混ぜ合わせてできたナイロン塩に圧力釜で熱を加え、重合、アミド結合してできたチップを加熱して溶かし、ノズルから押し出して繊維を作ります。

ナイロン6は石油系のシクロヘキサンを科学的物質に反応させてできた原料を重合、アミド結合させてナイロン66と同じように紡糸します。

 

〜繊維の構造〜

円形で、側面は滑らかでつるりとしています。

ノズルの形状で断面の形を変えられ、極細の繊維も作ることができます。

 

〜ナイロン素材のメリット〜

・シワになりにくく、伸びやすい

弾力性があり、繰り返し折り曲げてもシワになりません。形崩れもしにくいです。

引っ張り強度は繊維中最大で、適度に伸縮します。

・摩擦に強く、軽い

他の合成繊維と比べ摩擦に強いです。

比重も軽く着用による疲れが軽減されます。

・乾きやすい

吸水率が低いため洗濯してもすぐに乾きます。

・虫やカビ、薬品に強い

天然繊維ではないので虫がつきにくくカビにも強いです。

海水や油にも強い性質を持っています。

・熱可塑性があり加工がしやすい

熱で変形し、冷ますと形状を維持して硬化するため、バルキー加工や捲縮加工などを施すことができます。

 

〜ナイロン素材のデメリット〜

・太陽法で黄変する

陽に当てると徐々に黄変し、弱くなります。

洗濯の際は陰日しをしましょう。

・肌ざわりがあまり良くない

汗を吸収しないので着心地はあまり良くありません。この欠点を補うため綿素材などと混紡されることも多いです。

 

Fabric
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ノエモバアルカ。

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