麻は世界最古の繊維作物と言われ、その歴史は縄文時代にまで遡ります。
一言で『麻』と言っても種類がとても多く、衣服として一般的に使われている麻にはリネン(亜麻・あま)とラミー(苧麻・ちょま)の2種類があります。
比較的寒い地方で湿気が多く、排水の良い土壌で良質の繊維用麻が育ちます。
〜麻繊維の作り方〜
衣服に使われる麻は繊維は亜麻(リネン)、苧麻(ラミー)の茎のじん皮部から採取されます。
〜麻の構造〜
亜麻(リネン)の断面は多角形の形状をしていて、繊維方向の節に繊維質由来の鋭さが見られます。苧麻(ラミー)については、断面は扁平で楕円、ソラマメ形状をしています。麻には綿のような天然のよりは見られません。
同じ植物素材であることから、主成分は綿と同じセルロースで繊維構造も中心部分に空洞のある『中空構造』になっています。
〜麻素材のメリット〜
・通気性がいい
麻は熱伝導率が高いため熱を外に発散しやすいので着用するととても涼しく感じま す。通気性がいいので細菌の発生を防ぎ、バクテリアの発生率が低いです。
・水分の吸収、速乾性がある
麻は綿と同じく、吸水性が高く、体温による気化熱で水分を放出するこ とができるため乾きがとても早いです。
・洗濯しやすい
湿強度(濡れると強度を増す性質)が綿の2倍とかなり高いため洗濯にも強く、丈夫で長持ちします。
・使うほどに柔らかくなる
使えば使い込むほど柔かさや光沢感が増します。リネンは10年後が最も美しいとも言われています。
・発色がいい
染料が繊維の表層に高密度で集積するため、他の繊維に比べて発色がいいです。
〜麻素材のデメリット〜
・シワになりやすい
綿と同じくシワになりやすいです。独特の雰囲気が出るのであえてシワを伸ばさず着用している人多いです。シワを伸ばしたい場合は霧吹きとアイロンを使うと効果的です。
・毛羽立ちやすい
繊維同士が擦れて毛羽が立ちやすいです。シワと同様これもリネンの雰囲気の一つですが、抑えたい場合は手洗いをしたり、バックなどで擦れないように注意してください。
・カビに弱い
麻は虫食いには強いですが、カビには弱いです。お洋服は定期的に洗うのでカビが生えることは少ないですが、カバンなどには要注意です。
・縮みやすい
繊維が水分を吸収し、それが乾燥すると縮む性質を持っています。綿よりも縮みやすいです。お洋服を作るときは水通しをして生地を縮ませてから裁断を行なってください。
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