アセテートは天然原料を原材料とし、化学薬品を使って繊維に加工したものです。セルロース系とタンパク質系に分けられますがアセテートは前者に分類されます。
原料は木材パルプで、レーヨン等の再生セルロース繊維と同じですが、合成繊維の製法で生成されるためどちらにも分類される繊維になります。
分子構造によってジアセテートとトリアセテートに分けられますが、一般にアセテートというと時アセテートのことを指します
〜アセテート繊維の作り方〜
アセテート繊維は、木材パルプを無水酢酸と反応させて製造されるアセテートフレークを溶剤に溶解したものをノズルから吐出させ、溶剤を熱風で蒸発させて形成されます。
〜繊維の構造〜
アセテート繊維の断面はギザギザで菊型と呼ばれる多葉型形状をしています。
ノズルから吹き出される時には円形ですが、硬化する過程で急速な溶剤蒸発による表面にスキン層が形成され、先に固まる表面は組織が密になり、内側は荒くなっています。
〜アセテート素材のメリット〜
・光沢感があり、ドレープ性がある
アセテートも絹に似せて作られた繊維の一つです。1本1本の繊維断面が不定形の多葉型形状で屈折率が低いため、繊維方面からの反射光が少なく、光沢感があります。
・肌触りがよく、軽い
繊維が軽いため生地が軽く、絹のような肌触りです。弾力性がありふっくらとした風合いです。
・吸湿性、速乾性がある
表面がギザギザの多葉型形状ですので吸湿性があり、乾きも早いです。
・縮みにくく、汚れにくい
繊維が水を吸収しても膨らまないので縮みにくいです。
水も吸収しにくく、汚れにも強いです。
〜アセテート素材のデメリット〜
・シワになると取れにくい
熱を当てると軟化して、冷めると硬化するためシワがつきやすく、シワになると取れにくくなります。
この特性を用いてプリーツ加工などが行われています。
・染み抜き用の溶液に弱い
染み抜きように溶剤を用いると、繊維自体がアセトン等に反応して溶けてしまいます。
・強度が弱い
繊維自体の強度が弱く、水に濡れるとさらに低下するので選択の際には気をつけてください。
コメント