綿は、五千年以上も前から人類に親しまれている植物繊維です。日本では衣料用繊維の消費量の約4割を占めていて、私たちの生活に欠かせない素材となっています。
〜綿繊維の作り方〜
綿花の種子から取れる種子毛(コットンボール)を原料として作られます。
このコットンボールから取れる繊維のうちリントと呼ばれる3cm程度のものが綿に加工されています。短いものはリンターと呼ばれ、薬剤で処理され再生繊維(レーヨンやキュプラ)になります。
綿の種は綿実油に加工され、工業油として使用されます。
天然繊維の一つで、その中でも植物繊維に分類され、綿の成分はほぼセルロースで構成されています。
〜繊維の構造〜
綿の断面を見てみると、繊維の真中に中空という穴があります。この構造を『中空構造』と呼び、同じ植物繊維である麻の繊維も中空構造になっています。
綿はこの植物繊維特有の構造によって熱が伝わりにくく放出されにくいという特徴を持っています。
また、綿繊維にはより(繊維がねじれていること)があり吸水性や保温性を高めています。
〜綿素材のメリット〜
・水分の吸収、速乾性がある
綿は吸水性が高く、体温による気化熱で水分を外に放出することができます。乾きがよく、通気性もあるので気持ちのいい素材です。
・保温性がある
繊維の構造によって熱が伝わりにくいので、冬には体温を逃すことなく暖かく着られます。
・肌触りがいい
綿は繊維が長く引っかかりが少ないため、滑らかで肌にも優しいです。
・洗濯・漂白がしやすい
湿強度が高いため(濡れると強度を増す)洗濯にも強く、染色性がいいので漂白剤も入りやすく清潔な状態を保つことができます。
・熱に強い
素材の強度が強く、熱にも強いためアイロンも当てやすいです。
〜綿素材のデメリット〜
・シワになりやすい
濡れたり、力を入れるとシワになりやすいです。この性質を利用して霧吹きを吹きかけアイロンでしっかり抑えるとシワが取れやすくなります。
・縮みやすい
繊維が水分を吸収し、それが乾燥すると縮む性質を持っています。お洋服を作るときは水通しをして生地を縮ませてから裁断を行なってください。
・黄ばみやすい
綿は染色性が高く、汗によって黄ばみやすいです。汗をかいたらなるべく早く洗濯するようにしましょう。
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