半合成繊維〜キュプラ(Cupra)〜

キュプラは天然の原料を使って作られた再生繊維です。

レーヨンと同じようにセルロースを使用し生成方法も似ていますが、使用する薬剤と原材料が違っています。(公式には銅アンモニアレーヨンと呼ばれます)

旭化成の商標名で『ベンベルグ』とも呼ばれています。

 

 

〜キュプラ繊維の作り方〜

綿花から綿を取り除いた後に残る短い繊維のコットンリンターに含まれるセルロースを酸化銅アンモニア溶液に溶かし、凝固液中に押し出して生成します。

銅アンモニア法と呼ばれるこの製法から『銅』を意味するキュプラと名付けられました。

天然の原材料から作っているので、土に還る環境に優しい繊維です。

 

〜繊維の構造〜

原料パルプの繊維素の質が良いため、断面は円形で表面も滑らかな形をしています。

溶液を押し出す際に細さを調整できるため、とにかく細い糸まで製造することができます。

 

〜キュプラ素材のメリット〜

・光沢感、ドレープ性がある

絹に繊維形状を似せて作っていますので、特徴は絹に近しいものが多いです。

レーヨンと製法が似ているのでレーヨンとも性質は同じものが多いです。

・染色しやすく、発色がいい

染まりやすく、プリントなどの発色もいいです。

 

・吸水性があり、肌触りがいい

天然繊維由来ですので吸水性があります。

滑りがいいのでお洋服の裏地などに使われることが多いです。

 

〜キュプラ素材のデメリット〜

・シワになりやすい

畳んでおくとすぐにシワシワになってしまいます。アイロンですぐに伸ばせますが、水に弱いのでスチームアイロンは避けましょう。

・縮みやすい

水分を含むと膨らみ、その時に縮んでしまう性質があるため、乾いたときも状態が戻らず生地が縮んでしまいます。

レーヨンほどではありませんが選択の際は注意しましょう。

 

・摩擦に弱い

摩擦に弱く毛羽立ちやすいです。レーヨンよりは強いですが、濡れている時は特に擦れないように気をつけましょう。

Fabric
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ノエモバアルカ。

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