生地はポリエステルの鬼ちりめんを使いました。
表面にしぼがあり、光沢感あります。
模様はパターンに合わせてプリント柄を作り、昇華プリントでプリントしてもらいました。
柄はアパレルCAD(クレアコンポ2)で製図したものにイラストレーターで描いています。
フレアーシルエットなのでリピート柄ではなく、パネル柄になります。
レッグカバーは裾の切り替えがまっすぐなので四角い状態で描いています。
プリント柄の描き方ついて、縦にすらっと長いイメージにしたかったので、柄は縦ラインを長めに、柄の大きさを裾に向かって少しずつ大きく広がるようにつけています。
また、フレアーシルエットのお洋服にまっすぐ柄をのせると、フレアーが下に落ちた時に柄が中心に寄ってしまい斜めに見えるので、柄の描き方としては中心にまっすぐ柄を通し、脇に向かって広がるように描いています。
黒線の幅は2mmにしました。
遠くからでもある程度写真に映るように太めに設定しています。
細かいと柄がごちゃごちゃしてしまうので柄も大きめにしましたがもう少し詰めてもよかったかもと思います。
後ろ中心は左右で柄があっていないようなデザインだったので合わないようにしたのですがちょっと違和感のある仕上がりになってしまいました。
この羽織の着丈は85cmです。
着物の後ろ中心は切替になっているものという認識が強かったので、イラストの後ろ中心も切替のラインだと思い込んでいましたが、後ろ中心の縦線を切替ではなくデザイン線だと認識して左右で1枚のパネルにできればよかったかなと思いました。
脇、肩の柄は合うようにしています。
プリント屋さんはこちらです↓
羽織裾の柄つけについて、裾の部分は無地の染生地で切り替えています。
プリント柄で続けて作ろうか迷ったのですが、昇華プリントで黒をつけると生地が裏まで染まらず、袖口の見返し端の部分のステッチで針目から裏の白い部分が見える可能性があったため、別生地を使用しています。
わかりにくいですがプリント生地の黒い部分。
裏までは染まっていないので引っ張ったり折ると白い部分が見えてきます。
袖口染め生地の縫い目部分。生地が裏まで染まっているので縫い目は見えません。
裾の丸い柄はカッティングシートをカッティングプロッターでカットしてアイロンで貼り付けています。
カッティングプロッターはこちらを使用しています↓
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この部分のイメージとして着物の金箔染めのようにキラキラと光るイメージだったので似たようなものを探しました。
カッティングシートはこちらを使用しています↓
生地の凹凸感を拾ってしまうのがどうなのか悩みましたが生地とシートがなじんで塗料を塗ったような質感になったので、私としてはすごく好きな雰囲気になりました。
柄を大きくした分この部分ももう少し大きくつけてもよかったのかなと仕上がりを見て思いました。
裾の柄のサイズは歪んでいる形なので正確なサイズではないのですが、
袖口は切り替え幅6.5cmに対して4.5cm、2.2cm、1.8cmの円
裾は切り替え幅7.5cmに対して5.0cm、2.5cm、2.2cmの円が並ぶようにつけています。
生地上がりについても少しだけレビューします。
同じプリント屋さんに出す際は参考にしてみてください。
見ているよりも少し暗く上がるような気がしたので明るめに色をつけましたがそのままの色に近い状態で生地が上がってきました。
部屋の中で撮るとこんな感じです。
画面で見る色はこんな感じ。
パソコンはiMacです。
プリント屋さんは記事に対する仕上がりの雰囲気を確認できるように生地見本を販売しているところが多いので、気になるものは取り寄せて選ぶといいかと思います。
生地にしぼがあるため、ラインも少しボケたようにプリントされるかとも思いましたが、境目もはっきりきれいにプリントされています。
生地が動きやすいので左右対称のプリントでも多少のゆがみが出ている部分もありました。
後加工の乾燥過程でだと思うのですが、届いてすぐは静電気が起きやすく扱いにくかったです。
静電気は縫い進めていくうちにおさまりました。
端はヒートカットで処理されていました。あと加工でのほつれ止めも兼ねての処理かなと思います。
この部分だけ焦げていて生地に引っかかると傷がつくのですぐにカットしました。
生地上がりの寸法があっているか確認するため、縦横でスケールを入れておくと便利です。
生地によって納期が違いますが、昇華プリントは7営業日で出荷してもらえました。
羽織については最初に染めと手描きで柄をつけようとしたのですが失敗したのでそこも記録に残します。
最初はスプレーで試しました。
生地の光沢感がつぶれてしまい、生地自体も固くなるのでこちらはサンプル段階で却下になっています。
次にポリエステルのちりめんに染粉で色を付ける方法を試しました。
裾のピンクを染めた後に平置きにしてグリーンを乗せてアイロンの蒸気をあてて色を定着させようと思いましたがグリーンの色が染まりませんでした。
一生懸命染めてこの色です。
家庭用の染粉は熱をかけながら長時間つけ置くことで色が付つきやすく濃く染まるのですが、グリーンの部分にのみ熱をかけながら染液につけ置く方法が思いつきませんでした。
裾に向かってグリーン→ピンクという補色カラーのグラデーションなのでどちらかを先に染めて上から色をのせることもできません。
何かいい方法があったのかもしれませんが、私の知識と技術では染めることはできませんでした。
なので生地を染めることをあきらめてプリントで再現しています。
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