海外のデザイナー・パタンナー

デザイナー・パタンナーという仕事は日本と海外では異なるところが多く、仕事内容の範囲によって名称も変わってきます。

特にパタンナーという言葉は実は和製英語で、英語では『パターンメーカー(pattern maker)』と呼ばれており、フランスではさらに細分化された名称があります。

また、日本ではデザイナーやパタンナーという職種の作業範囲が企業毎に違うので、どこまでの作業が仕事内容に含まれているのかがわかりにくいことがあります。

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クチュリエ・クチュリエール(仏:couturier、couturière)

フランス語で『裁縫師』の意味。パリのオートクチュールの主任デザイナーの総称として使われます。

ブランドのデザイン責任者として、裁断、縫製、宣伝活動まで全ての分野を統括する役割があり、クチュリエが男性、クチュリエールが女性を指す名称です。

 

スティリスト(仏:styliste)

フランスではプレタポルテのデザイナーの呼称。オートクチュールではモデリストを手伝い、オリジナルデザインの考案をする人を指します。

 

 

パターンメーカー(英:pattern maker)

英語で『型紙を作る人』の意味。

基本的にはマスターサイズのワンサイズのみを作成し、グレーディングはグレーダーが行います。

 

グレーダー(英:grader)

パターンメーカーが作成したマスターパターンの型紙をCADを使ってサイズ展開します。

切り替えラインやディテールをマスターサイズから崩さず展開するセンスが必要です。

 

マーカー(英:marker)

グレーダーが展開した型紙を生地幅に合わせロスがないよう配置し、カット位置を決めていきます。

生地によっては柄合わせや生地の方向を考えて配置していかなくてはいけません。

 

 

モデリスト(仏:modeliste)

フランス語で『型紙を作る人』の意味。

クチュリエ(デザイナー)の考案した通りに作品見本を作る人のことを指します。

原型パターンから工業用パターンまで全ての工程を指揮し、製品に対して品質、技術面で責任を負う立場にあります。

パターンだけでなく、デザインや縫製にも長けていないと務まらず、長年の経験やセンスが必要となります。

トワリストとパトロニエが分業してモデリストの仕事をこなすこともあります。

 

トワリスト(仏:toiliste)

アトリエで作った作品を量産するためトワルを製作する人のことです。

立体裁断でトワルを製作し、基本的にマスターサイズのみしか作らずグレーディングはしません。

 

パトロニエ(仏:patronier)

フランス語で『型紙を作る人』の意味。

英語のパターンメーカーとほぼ同義ですが、グレーディング業務も兼任しています。

トワリストが作ったトワルを、平面で製図します。

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